間口7.25m、奥行き18.50mと いわゆる狭小住宅の見本のような土地に伊藤邸は建っています。普通、土地が決まってから建築家選びとなりますが、昔からのお付き合いが妻方にあり、迷わず秋山さんにお願いすることになりました。したがって、土地選びから秋山さんと一緒に選ぶことができたことは、大変幸運でした。

伊藤邸を設計するにあたり、秋山さんには3つのキーワードを取り入れた設計にしていただくようお願いしました。そのキーワードは「シンプル・オープン・コンパクト」の3つです。

シンプルであることで、いつまで経っても飽きのこない、そして自分たちで今後アレンジができるデザインを要求しました。オープンであることで、家族が笑顔あふれる心の安らぎの住空間を要求しました。そして最後にコンパクトであることで、無駄な動きを最小限に抑える、歳とともに変わるライフスタイルに対応する、伊藤家の10年先、20年先を見据えた家造りをお願いしました。

さて、ここに移り住み1年半が経ちました。まず感じることは、家全体が伊藤家の一員になっていることです。変な言い方ですが、家族全員がこの家自体が大好きで、愛着を持って住んでいる。家という空間がこんなにも安心感を与えてくれるものなのかとつくづく感心します。

限られた予算の中で、ひとつひとつのクオリティーを一定レベルで保ち、またデザインとしてオンリーワンの造作物。この家に携わっていただいた全ての人たちからの心のこもった贈り物と感謝しています。この家とともに今後も生活していくことに楽しみを感じています。

伊藤友美